2011年8月25日木曜日

携帯音楽プレイヤーを使い続けると難聴になる?!

よつば補聴器センター西口です。


本日は、今年3月に日本補聴器工業会が、社会問題ときこえに関してというテーマで、慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科教授・小川郁氏にお伺いした際の内容を取り上げてみました!!




■携帯音楽プレイヤーを使い続けると難聴になる?!


現在、携帯音楽プレイヤーで12時間など長時間使用する人が、特に若者に増えてきています。
その若者達が50歳以上になった時、難聴の人口が増えることが、今、危惧されています。

アメリカでは、デジタル音楽プレイヤーを使って、今20代の若者が50代になった頃に、約5000万人*が難聴になると予測しているところもあります。
*確かな証拠が発表されているものではありません。



ただ、同じ出力と時間を聞いても、音楽ジャンル――例えば、クラッシックとロック――や曲調によって音量が違う(一定の音量ではない)ので、聴力が急激に低下しないための音量や時間の目安を立てるのは非常に難しいのです。




■携帯音楽プレイヤーやイヤホン、ヘッドホンの使用時間の目安


その前提がある中で、あえて目安をお話するなら、まず「音の大きさ」から言うと、例えば、ピストルの暴発、戦場での爆撃のような140dBという大きな音になると、(必ずそうなるということではありませんが、)瞬時に耳が壊れてしまいます。



では、それより小さな音はどうかというと、90~120dBが耳を痛める大きさとされており、この音の大きさは、「音の強さ×聞いた時間」で耳の痛みやすさが決まってくるのです。



トラックの音のような90dBの音でも、何時間も聞くと痛む。100dBだとその半分の時間でも痛む。
非常に大きな騒音の環境、飛行機の近くなど120dBの音がでているようなところでは、短時間で耳が痛む可能性があると言われています。



ですから、携帯音楽プレイヤーのようなものでも、ヨーロッパなどは出力制限をしているところもあります(おおよそ90dB)。ただ、日本にはまだその制限はありません。プレイヤーによっては、出力制限を設けているものもありますが、まだ法律として決まってはいません。使用する個人、例えば、小さなお子さんがプレイヤーを使うようなら、親が設定しなければならないのです。



海外では、デジタル音楽再生機が原因で難聴になったという訴訟も起こっていて、今後は、日本でも出力制限などをしていく必要があると思います。



■聴力を低下させないために気をつけること


耳にとって一番気をつけなければならないことは、前述のような非常に大きな音にさらさないということ。

また、ヘッドホンやイヤホンで1時間耳を使ったら、10~20分は耳を休ませましょう。また、疲れたと感じてきたら、ある程度休むということが大事です。


なかには、イヤホンで音楽を聴きながら眠る人もいらっしゃいますが、結局寝ていても、音が聞こえているということは、自分が意識していなくても耳の有毛細胞が動いているということ。つまりは眠っていても耳を使っていて、休ませていないのです。


ただ、小さな音でBGMのようなものであれば、痛むことはありません。
いずれにしろ、90dB以上の音を聞くと耳が痛むという事実は明らかなので、自分がうるさいなと思っていたら、自己防衛をすべきです。



あくまで、携帯音楽プレイヤーのようなものは、「使うな」ということではありません。上手に使いましょう、ということです。過度に疲れるぐらい使うことは、全てにおいてよくありません。


急に聞こえなくなったり、次の日の生活に影響がでてくるようだったら、みんなさん注意しますが、10~20年後のことなんて、みんな気をつけませんよね。大きな音を聞き続ける習慣が、10~20年後の自分に影響していくかもしれないということは、考えておいた方がよいでしょう。


聴力については、ある程度、「長い意味での認識」をもっていただいた方がいいかなと思いますね。









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